スタイルも走りも質で勝負

機能と品質に強いこだわりコンセプトは「ジャオス流」

　国産ＳＵＶ総ナメに等しい、幅広い対応車種を誇るジャオスにとって、インポートブランドであるジープは異質な存在といえるはずだ。かつて旋風を巻き起こした、ブルバーを軸とするヘビーデューティスタイルからスタイリッシュ路線へのレーンチェンジを完遂したこともあり、クラシカルなデザインのラングラーは調理しにくい素材であるに違いない。だがジャオスの手にかかれば、そんな専門外の食材もキッチリと一品料理に仕上がってくる。先行するパーツメーカーの模倣ではなく、濃厚な「ジャオス色」に染められた独創的なプロダクツだ。これまで積み上げてきた実績を裏切らない、ハイクオリティな出来映えも魅力である。
　もっとも注目すべきアイテムは、フロントスポーツカウルと銘々されたバンパーだろう。独立フェンダー＆偏平顔のラングラーにマッチさせる以上、いわゆるエアロパーツはミスマッチすぎる。そこであの味のある表情を最大限に尊重しながらもジャオスらしさを主張するこのデザインが生まれたのだ。ヘビーデューティ指向の強いシルエットだが、驚くことに素材はＦＲＰを採用する。しかも強度やクリーニング性までも考慮し、裏側をボックス状に密封したモノコック構造とする凝りようだ。もちろん軽い。操縦性に影響する前後重量バランスまで視野に入れるあたりは「さすが」と賞賛したい。
　従来のラインナップを刷新する勢いで導入されたハーモフレック採用の新型ダンパーも装備し、快適性はますます向上。無骨なラングラーでもファンなドライブを楽しみたいなら、これは理想の１台といえる。